ナンキョウ(学名:Alpinia galangal ) に含まれる
1’-Acetoxychavicol acetate(ACA) の様々な生理作用
大阪公立大学大学院生活科学研究科・小島 明子
報告文献
抗ガン作用
Moffatt J., et al. Carcinogenesis 21: 2151-2157 (2000).
Moffatt J., et al. Chemico-Biological Interactions 139: 215-230 (2002).
Unahara Y., et al. Amino Acids 33: 469-476 (2007).
Xu S., et al. Chemico-Biological Interactions 172: 216-223 (2008).
Higashida M., et al. Amino Acids 36: 107-113 (2009).
Kato R., et al. Chemico-Biological Interactions 212: 1-10 (2014).
抗肥満作用
Ohnishi R., et al. The American Journal of Chinese Medicine 40: 1-16 (2012).
異物代謝機能亢進作用
Yaku K., et al. The American Journal of Chinese Medicine 39: 789-802 (2011).
Yaku K., et al. Molecular Nutrition & Food Research 57: 1198-208 (2013).
皮膚のアンチエイジングおよび創傷治癒促進作用
Mori A. et al. American Journal of Phytomedicine and Clinical Therapeutics 6: 12-19 (2018).
認知機能改善作用
Kojima-Yuasa A., et al. Chemico-Biological Interactions 257: 101-109 (2016).
ACAによる抗肥満効果について
In vitro 実験系 脂肪細胞の脂肪蓄積におよぼすACA影響
⇒脂肪細胞内の脂肪蓄積量は、ACAの添加濃度に依存して顕著に減少した。
In vivo 実験系 肥満モデル動物 (ラット)の抗肥満作用におよぼすACAの影響
⇒ACAは細胞レベル、動物レベルともに抗肥満効果を示した。
ACAによる抗老化・認知機能改善効果
In vivo 実験系
結果と考察
ACAはSAMP8の認知機能改善効果を示した。
SAMP8における海馬組織の形態異常は、ACAを摂食することによって正常な形態にまで回復した。
さらに、ACAは血清ケトン体濃度を顕著に亢進させた。血清ケトン体濃度を亢進させることが認知症予防への鍵となる。
ケトン体は、肝臓において脂肪酸から生成され、グルコースの代替エネルギー源としてとして利用される。ACAによる認知機能の改善効果には、血清ケトン体濃度を亢進させ、β酸化-TCA回路を介するエネルギー産生を維持し、神経細胞障害を抑制することが示唆された。
内因性のケトン体を上昇させるACAは、抗認知症機能性食品として応用することができる。